【活動報告】寄贈図書購入と小学生夏季補習クラス中止決定（新型コロナウイルスの感染状況含む）

今回は、2011年から始めた教育環境改善プロジェクトに係る２つのことをご報告します。いずれも「ミツロウキャンドルで照らそうこどもたちの未来」プロジェクトからのご寄付を使う予定の活動です。

●活動地にある公立小学校に寄贈する本が決定し購入手続きに入りました

公立学校の校長先生や司書の方も交えて相談をし、昔話から理科に親しめるような百科全書まで全部で125冊を選び購入手続きに入りました。この中には「窓際ぎわのトットちゃん」や「忠犬ハチ公」も含まれています（日本事務局からは何も口出ししていないですよ）。すべての本が購入出来次第、プロジェクトからの寄贈である旨がわかるようにシールを貼って小学校にお届けする予定です。

●小学生夏季補習クラス中止決定しました

7月29日にご報告の通り（【活動報告】教育環境改善活動～高校生クラスの最後の授業と小学生夏季補習クラスについて～）、新型コロナウイルス感染を懸念するフエ省教育訓練局が出した通達に従い中断していた小学生夏季補習クラスですが、夏休み期間が残り少なくなる中、通達が解除される見込みがないため正式に中止することといたしました。残念ですが今は命と健康が大切な時期と考えました。ご理解ください。

今年の補習クラスはミツロウキャンドルをご購入頂いた方々のご寄付で運営予定でした。そのため、クラスを中止することにした理由である現在のベトナム中部の新型コロナウイルスに係る状況を以下の通りご報告いたします。現地事情をご理解頂けばと思います。また、補習クラスの運営に使用する予定であったご寄付につきましては、９月以降に実施する活動に繰り越しさせて頂くことといたします。重ねてご理解頂ければ幸いです。

●ベトナム中部の新型コロナウイルス感染状況（ナショナル・スタッフのティエンさんからの報告、2020年8月24日現在）

〇ベトナム全土の状況

感染者数は、全国で1016人と発表されていています。その内５４３人は（ベトナムで4番目に大きな都市である）ダナン直轄市（以下、ダナン市）と直接関連があるそうです。7月の半ばからほぼ毎日感染者が新たに確認されています。多い日は40人、少ない日は2人です。例えば、8月23日は全国で２人だけの感染が報告されました。また、それぞれの感染者の移動ルートが公開されています。

隔離中の人数：70,620人
死亡者数：27人
治療で治ったケース数：568ケース

〇ベトナム中部の状況

現在、ベトナム中部ではクアンナム省のホイアン市、ダナン市、クアンチ省のドンハー市では社会隔離措置がとられています。特にホイアン市とダナン市は、7月28日から続けて隔離措置が取られているため住民は非常に苦しそうです。ドンハー市の隔離措置は8月10日からです。

〇私たちの活動地、トゥアティエン・フエ省（以下、フエ省）の状況

お陰さまでフエ省内では、感染者が1人も出ていません。以下のことで防げているのではないかと考えます。

1．フエ省の指導者を始めする関係部局の努力（水際対策）

フエ省の南側はダナン市と接しています。多くの公安（注１）職員はダナン市とフエ省の境（国道やハイヴァン峠、海側もです）、フエ省の北側にあるクアンチ省との境（国道やチュンソン山脈、オーラウ河）を24時間体制の警備をしています。フエ省に入る人は全員申告が必要で、入ってきた場合は一定期間隔離されます。

7月中旬にダナン市で再び感染が拡大した時から、ダナン市から戻ってきた人、ダナン市からフエ省に入る人を特に厳しく隔離しています。ダナン市から戻った人を把握するために、フエ省人民委員会（注２）は”Đi từng ngõ, gõ từng nhà, rà từng đối tượng”（日本語訳は「それぞれのレーン（路地などの意味）に入って、それぞれの家のドアをノックして, それぞれの対象を確認する」というスローガンを常にマスコミで宣伝しています。そして、フエ省民に周辺に感染地域から来た人がいるかどうか常に意識して係員に知らせることを義務付けしました。

また、フエ省は省民が自分の健康状態を申告するためのアプリも創りました。感染疑いの症状があったら、病院へ行かないで家で申告できるようになりました。

2．フエ省民の予防意識が高まってきました。
不急不要の集まりはしないようになりました。例えば、レストランなど密接になりやすい環境は行かないようになりました。行政に要請されなくても、多くのレストランは休業しています。マスクは常に着用しています（マスクをしていない人が処罰された場面が報道されたりもしました）。

１日も早く穏やかな日々が戻ってくることを願っています。

[注]
１．公安：日本の警察のこと
２．人民委員会：日本の行政機関にあたる