【活動報告】教育環境改善活動~高校生クラスの最後の授業と小学生夏季補習クラスについて~

今回は、2011年から始めた教育環境改善プロジェクトに係る3つのことをご報告します。

●高校生クラスが終了しました

小学校4年生から共に学んできた子どもたちは高校3年生になり、8月9日(土)10日(日)に行われる高校の卒業試験で志望校に入れるかどうかが決まることになります。大学を希望する子、職業訓練も行う短期大学を希望する子、昼間働いて夜間に勉強を続けたいという子・・、いろいろです。最後の授業には、ナショナル・スタッフのティエンさんが、「きっと勝つ」の思いを込めて「キットカット」を届けてくれました。

キットカットはベトナムでも売られています

キットカットはグローバル企業のネスレが販売しているためか、ベトナムでも一般的なお菓子です。ただし、日本のと少し味が違う気がします(2020年7月、ティエンさん撮影)。

高校生たちに雑談でクラスのことをどう思っていたかを聞いたところ、先生たちが熱心だった、分からないところを何でも聞けた、みんなと勉強できて自信を持てた、京都大学の学生との交流が印象的だった、といった意見が出ました。彼らの卒業試験が終わったら、クラスについての作文を書いてもらおうと思っています。それがすべて回収できてから、約10年の総括を行いたいと思います。

最後の授業の日、フエ・ベトナム

さぁ、ラストスパート!体調を万全にして卒業試験に臨んで欲しいです(2020年7月ティエンさん撮影)。

そして、みんなの進路が確定してから一緒にがんばってきた家族の方々や先生方と卒業式を行う予定です。

 

●トゥアティエン・フエ省教育訓練局の通達に従い、小学生夏季補習クラスを中断することとしました

2020年7月28日、「ミツロウキャンドルで照らそう こどもたちの未来」プロジェクトの寄付金を使わせてもらう小学生夏季補習クラスがスタートしました。

2020年小学生夏季補習クラス、フエ市・ベトナム

2020年7月28日、2020年小学生夏季補習クラスに集まった子どもたち。手に持っているのは、「ミツロウキャンドルで照らそう こどもたちの未来」プロジェクトのために、のぶこA.フースラーゲさんに描いて頂いたイラストを表紙にした出席カード(2020年7月ティエンさん撮影)。

ところが、本日7月29日に新型コロナウイルス感染再燃の懸念を受けてトゥアティエン・フエ省教育訓練局(日本でいう教育委員会)より、複数名で集まって活動することを中止するように通達が出されました。活動地の公立小学校の校長先生と相談し通達の内容が解除されるまで、夏季補習クラスを中断することを決定しました。本日現在、ベトナムではダナン市でのクラスター発生を受けて同市から戻ってきた旅行者がいる全国の当局が警戒を強め、感染疑いのある人が行き来した場所の封鎖が進められています(参考1:2020年07月29日,Vietjo)。ティエンさんからの現地情報によると、トゥアティエン・フエ省は7月30日から一部の経済活動を規制する見込みであることを発表したそうです(2020年07月29日夜の情報)。先ず、バー、カラオケ店、結婚式、お葬式、あらゆる会合、塾、美容サービスが規制の対象となり、感染拡大が見られれば次の段階として、カフェや飲食店が規制対象となるそうです。安全と健康が第一です。本当に残念ですが、一旦クラスを中断し状況を見守りたいと思います。

 

●寄贈する本の選定作業が進んでいます

もう1つ「ミツロウキャンドルで照らそう こどもたちの未来」プロジェクトの寄付金を使わせて頂くものとして、活動地の公立小学校への本の寄贈があります。小学1年生の担任の先生に本をリストアップしてもらいました。そのリストにある本に対して、校長先生や副校長先生、小学校内で「青空図書館」活動を推進している先生たちから意見をもらってリストを更新し、より子どもたちが親しめるであろう本を選ぶことにしました。

打ち合わせの様子、フエ市・ベトナム

活動地にある公立小学校の先生方との打ち合わせの様子(2020年07月撮影)。

新型コロナ感染拡大の影響を思いきり受けておりますが、こんなことでひるむことなく「ウィズコロナ」の時代にどうやって小規模の国際協力活動を継続させていくのか模索していきたく思っています。

今回は以上です。

[参考]
1.「全国で感染疑い例が訪れた場所の封鎖急ぐ、新型コロナ再燃懸念」https://www.viet-jo.com/news/social/200729194153.html

 

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風人土学舎 日本事務局
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