取り残される子どもがいないように

小学校の校庭で

私たちの教室に通っている子どもたちとチューター。教室をおかりしている公立小学校の校庭で。後ろに掲げられているのは、建国の父、ホーチミン氏が共産党の赤いスカーフを子どもに授けている写真。私たちのクラスに通っている女の子の児童の制服が相当に大きいのが分かる。きっと親は小学校の5年間、この制服で過ごさせたいのかと思う。(2022年11月撮影)

先週、ナショナルスタッフのティエンさんから届いたメールには何枚もの写真が添付されていて、以下のメッセージが添えられていました。

”(私たちが運営している学習支援教室である)PhuHau教室では11月に入って、絵を描く授業が始まりました。
(子どもたちを教えてくれているフエ大生の)クエンアンさんからとても良い写真を貰いました。
子供たちがクレヨンを手にして楽しそうに絵を描く雰囲気を共有したくなりました。
絵を描く授業、良いですね。”
クレヨンで絵を描いてみよう

机を寄せ合ってクレヨンで絵を描く子どもたち。子どもたちを教えてくれているチューターたちには、机の配置、教え方、色々なことを考えて工夫するように促している(2022年11月撮影)。

私も写真を見てうれしくなりました。「絵を描く授業」はフエに暮らす学生のチューターたちから提案があって取り入れていることです。子どもたちと教室で楽しい時間を共有しているだろうな、と思うとうれしくなりました。
先生の日にむけて

みんなが描いていたのは、「先生の日」(11月20日)をお祝いするための絵であった様子。ベトナムでは先生の日に子どもたちが先生に感謝を伝えたり、花を送ったりする(2022年11月撮影)。

10年ちょっと前、JICA青年海外隊員としてフエ市で暮らしていた頃、先輩隊員たちを話しをしていたことがありました。
「ベトナムは発展していく国だから、きっと国が発展すれば、少しずつでも貧しい人たちは減っていくはずだし、特に最低限の暮らしをしている人たちは減るのではないだろうか」
確かにそれは間違っていなかったと思います。ベトナムは開発途上国でなくなり、フエ市の貧困層の人口割合も減っている様子です。でも、私たちの教室には親と夜にピーナッツ売りをしている子がいたり、親はラオスに出稼ぎに行って帰って来られないから祖母と暮らしている子がいたりします。
折角、小学校に通えているのに親が家で勉強の面倒を見ることが出来ないから、塾に行くことが出来ないから、文字の読み書きが小学校2年生でも不自由・・というのはつらいことです。
基本的な読み書きと算数ができて、学校を出るまで勉強がいやにならないように。
社会で取り残されることがないように・・・、何かの一助になりたいと願っています。
絵をみせて

きれいに描けることでなく、お友達たちと自由に描ける時間を楽しんでくれたらと願っている(2022年11月撮影)。

 

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風人土学舎 日本事務局
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