2019年夏季補習クラスの様子
新型コロナウイルス対策は、ベトナムでも大変なことになっています。感染が拡大しないように学校の休校が続いており、ワークショップなど会合も延期する通達が政府から出されています。そのため、3月1日から予定しておりましたベトナム出張も延期することといたしました。感染が終息していくことと、感染された方の回復を心より願っています。
さて、先週の活動報告に書きました通り、昨年行った夏季補習クラスのことを書きたいと思います。夏季補習クラスに至った経緯は、このホームページ内の「学習支援活動とその変遷」の2019年のところに載せております。
夏季補習クラスは活動地の公立小学校と協力して開催しました。先ずご説明しないといけないのは、ベトナムの新学期は9月に始まります。2学期制で、9月から旧正月(年によって変わり、日本の1月終わりから2月中頃になります)までの学期と旧正月休み明けから5月末までの学期になります。夏休みは、次の学年に備えて補習が出来る時になります。2019年5月に小学校1年生を終えた20名が補習クラスの参加対象となりました。20名の中には、ベトナム語のアルファベットが身についていない子どもいる状況でした。主に教壇に立って指導をしてもらった先生は、公立学校の現役の先生。アシスタントとして、私たちと活動を共にしてきたフエ大学の学生に加わってもらいました。
夏季補習クラスが始まって1週間目に、ナショナルスタッフのティエンさんと学校の先生たちとでミーティングを開いてもらいクラスでの指導方法や運営の仕方の微調整を行いました。それは別にアシスタントのフエ大生にクラスの様子を聞くこととしました。フエ大生から「指導する先生が子どもが答えられないと手を叩いたりすることがある。それはやめてもらいたい」という答えが返ってきました。
勉強が出来ないと学校で褒められる機会は少ないでしょうし、先生に怒られることも増えることが想像出来ました。そういった状況では、子どもは先生の前で委縮してしまいます。そのため、ティエンさんにも数日クラスに入ってもらうこととし、フエ大生のアシスタントには「一人一人の児童のいいところを褒めること」をお願いしました。
こうすることによって指導担当の先生にも変化が生まれ、子どもの手を叩くような行為はなくなり、子どもを褒める言葉が増えるようになりました。このようにクラスの運営は、計画→実施→見直し→計画の微調整を繰り返しています。そのすべてのプロセスで、活動に関わる現地の仲間たちにも主体的に考えてもらい、その意見を取り入れるようにしています。
活動地のあるエリアでは、昼間から大人がお酒を飲んだり、ギャンブルに興じている姿を見かけます。クラスの中では、子どもたちが安心して勉強のことだけ考えられるようにしてやりたいと思っています。
投稿者プロフィール
- ベトナムのフエ市在住歴延べ6年。風人土学舎では、日本の事務局業務とフエ市での活動全般のコーディネーションを担当しています。
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