フエ市、学習支援教室、クラスの様子、2017年3月

2011年
●学習支援教室の開始(1期生:小学校4年生)

風人土学舎の代表である田中先生がプロジェクト・マネージャーを務めたJICA草の根技術協力事業(パートナー型)ベトナム中部・自然災害常襲地のコミュニティと災害弱者層への総合的支援(2010年10月~2013年9月、実施団体:京都大学大学院地球環境学堂)のトライアルとして学習支援教室を開始しました。フーハウ地区にあるフエ市立フーハウ小学校の先生方に「小学校4年生に在籍する経済的に課題のある家の子ども(ベトナムの小学校は5年生まで)」を20名選んで頂いた。そのすべての児童の家庭を訪問し、以下のような点を確認しました。

●本当に経済的に困難な世帯なのか?(家族構成、親の仕事の状況、住居の状況、など)
●子ども本人にやる気があるか?
●親にやる気があるか?(子どもを励ませるか、など)

その結果、児童4名が残りました。教室の場所は、一人の児童の家の居間でした。チューターたちが一人一曜日を担当し、月曜日から土曜日まで子どもたちに勉強を教えました。その後、このクラスを評判を聞いて6名に児童の数は増えました。クラスに入りを希望する児童には必ず家庭訪問を行い、経済状況ややる気の確認を行いました。

 

フエ市、教室の様子

一人の子どもの家で教えていた頃。チューター(家庭教師の意味。私たちは教室の指導役をこう呼んでいます)は、フエ大学の学生たち。彼らは、子どもたちにとって、先生であり、姉や兄のような存在(2012年3月撮影)。

 

2014年
●公立小学校の教室の借用開始(1期生:中学2年生)

1期生たちが中学校2年生に進級した年、クラスに入りたいという希望者が増えたことと私たちの活動を信頼して頂けたため、公立小学校の教室を貸して頂けるようになりました(小学校には、電気代や守衛さんの残業代見合いの費用をお支払いしています)。生徒の数は、13名になりました。

フエ市、夜間のフーハウ小学校、教室

夜間、フーハウ小学校の教室をお借りして行っている授業の様子(2016年10月撮影)。

 

2017年
●1期生への奨学金の支給開始(1期生:高校1年生)
●2期生の受け入れ開始(2期生:小学校4年生)

1期生13名のうち11名が高等学校に、2名が服飾の職業訓練学校(高校卒業資格も取得可能)に進学しました。そのため、奨学金の支給を始めました。そして、2期生(小学校4年生)のための教室を開始しました。1期生と同じように家庭訪問を実施し、15名を受け入れました。2期生を教える中で、以下のようなことがわかりました。

●親が出かせぎに行っていることや親の離婚などで、祖父母と暮らしている子どもが多いこと。
●小学校4年生になっても満足にベトナム語の読み書きが出来ない子が存在していること。

 

フエ市、学習支援教室の様子(2019年5月)

2期生の終了式の様子。高校生になった1期生やチューター、ナショナルスタッフと一緒に(2019年5月)。

4年生になっても読み書きが出来ない理由は、複数考えられます。先ずは、貧しい家庭では親が子どもの勉強を見る余裕がないことが考えられます。そして、人口が増えているベトナムでは子どもの数が増えているため、学校の先生たちが多忙を極めているため指導が追い付いていないことも考えられます。

 

2019年
●1期生全員が高校最終学年に進級
●2期生のクラス終了(2期生:小学校卒業)
●3期生は公立学校と協働して夏季補習クラス(3期生:小学校1年生)

2期生でクラスの最後までクラスに通ってくれた児童は、15名中7名でした。全員が中学に進学したことを見届け、2期生のクラスを終了することとしました。

2期生の経験から、出来るだけ早い段階から読み書きをしっかり身につけて欲しいという思いをフーハウ小学校の先生方と共有して、2019年6月後半から8月初旬にかけて、夏季補習クラスをと計画運営しました(3期生)。

●3期生(小学校1年生対象の夏季補習クラス)の概略

・対象:2019年9月でフーハウ小学校の2年生に進級する児童の中で家庭になんらかの課題がありかつベトナム語の読み書きに不安がある児童
・指導にあたる先生:フーハウ先生の現役の先生1名とフエ大生(風人土学舎のチューター経験者)1名
・開催期間:2019年6月10日から8月5日の週3回

対象とした20名中13名が教室に通ってきました。現役の先生が指導し、チューターは先生を補助して子どもたちの読み書きの練習相手になったりもしました。ベトナムは声調言語で、正しい発音が出来ないと通じない言語です。子どもたちの中には、正しい発音が身についていなかった子もいました。夏季補習クラス終了時には、小学校1年生のベトナム語の授業で学ぶ、基本の読み書きを習得させることが出来ました。そして、フーハウ小学校の先生から夏季補習クラスに参加した子どもたちは、意欲的に勉強するようになったとの報告を受けました。

フエ市、学習支援教室、教えている様子

3期生には、正しいベトナム語の発音が身についていない子どもが多かった。チューターは発音練習にもなった(2019年7月撮影)。