【活動報告】青空図書館活動の支援

「子どもたちに本の面白さを伝えたい」という思いで、私たちの活動地にある公立小学校の若い先生たちがベトナム語で「緑の図書館」と名付けた活動を始めたのは2017年でした。この図書館は学校の中庭で開かれる活動で、いわば「青空図書館」活動です。この活動は、若い先生たちによって自発的に始められました。

ベトナムの小学校にも図書室はあるのですが、昼休みや放課後に図書室を閉鎖している学校が多い様子です。実際に子どもたちが図書室の本を手にすることが出来る時間は、本当に限られています。そこで、若い先生たちは協力しあって、週に何回か休憩時間に図書館の本を学校の中庭に持ち出すことにしたのです。そうすることで、こどもたちが自由に本を読みやすくなりました。そして、この活動は現在も続いています。

フエ市のフーハウ小学校の青空図書館。本が置かれる棚にはイラストが描かれていて、子どもたちが親しみやすいように工夫されている(2017年3月13日撮影)。

実際にこの活動の様子を見たのですが、子どもたちは本当に楽しそうに本に手に取っていました。本を手にすることが出来る時間は長くないので、図鑑や絵本のような絵が多いものを子どもたちは好んでいる様子でした。そして蔵書の数が十分にないため、子どもたちがゆっくり読みたい本に出会えたとしても、本の貸し出しは行われていませんでした。

じっくりと1冊の本を読むことは読書の喜びを知ることにつながると同時に、読解力を身に着けることにもつながります。また、図書館の本を貸し出してもらうことはみんなで共有している本を大切に扱うという心を育むように思うのです。

青空図書館、フエ市フーハウ

フエ市のフーハウ小学校の青空図書館で本を読む子どもたち。図鑑も写真よりも絵が添えられているものがほとんどだった(2017年3月13日撮影)。

そこで風人土学舎では、この図書館活動に本を寄贈することを始めました。でも、まだ本の数が十分ではないせいか、小学校低学年の子どもたちに「学校にくれた本はいつ読めるようになるの?」と質問されています。もっと蔵書が増やすことを考えることにしました。そうすることで、先生方のモチベーションを支えることができ、本を貸し出すことや低学年対象の読み聞かせのような活動も視野に入れることが出来るようになります。

ナショナルスタッフのティエンさん(左)から青空図書館を担当している先生(右)に本を渡している様子。中央はフーハウ小学校の校長先生。ベトナムでは先生方が民族衣装であるアオザイを着る日があります(2017年3月13日撮影)。

何よりも、子どもたちが本を読む喜びを知って成長することにつながる可能性があります。そのため、青空図書館活動への支援も続けていきたいと考えています。

☆現在、風人土学舎では「ミツロウキャンドルで照らそう こどもたちの未来」と名付けたプロジェクトも実施しています。ミツロウキャンドル1個につき500円が青空図書館活動をはじめとしたフエ市フーハウ地区での教育環境改善活動に寄付されます。詳しくはこちらからご覧ください。

投稿者プロフィール

高木佳子(Takagi Yoshiko)
高木佳子(Takagi Yoshiko)風人土学舎 日本事務局担当
ベトナムのフエ市在住歴延べ6年。風人土学舎では、日本の事務局業務とフエ市での活動全般のコーディネーションを担当しています。