ベトナムでの新型コロナウイルスのこと、ベトナムのマリア様のこと

新型コロナウイルスの感染拡大のことで情報の渦の中にいる感じがしています。私の風人土(かぜひとつち)学舎でない方のお仕事のオフィスは、某大学の構内にあります。学生たちが戻って来ることもあり、混雑を避けるために時差出勤を始めることになりました。また、より感染が広がってしまった場合を想定して、データ化していなかった書類のデータ化などテレワークの準備も始めています。そんな状況で気持ちが落ち着かず、記事の更新が少し遅くなりました。

Big-Cの様子

フエ市にあるタイ系のスーパーマーケットの1階にある専門店は、3月31日の午後からすべてが閉店した(撮影:H.Tien, 2020年3月31日)。

 

活動地のベトナム中部・フエ市では大きく感染者は増えていないのですが、ラオスに出稼ぎに行っていた人の帰国が始まったことで感染が拡大するのではないかと懸念されている様子です。フエ市のあるトゥアティエン・フエ省はラオスと接していて、国境にあるラオバオ(Lao Bảo)から多くの人やモノが入ってきます。林業をはじめとする日雇い労働で得られる賃金がラオスの方が高いらしく、私たちの学習支援教室があるフエ市フーハウ地区の貧困層の人たちの中にはラオスに出稼ぎに行っている人が少なくありません。日本と同じで感染していても無自覚の人からの感染が懸念されているのです。そんなフエにある商業施設の今日の様子をナショナルスタッフのティエンさんが写真に撮って送ってきてくれました。建物の1階に洋服などの専門店、2階より上にタイ系のスーパーマーケットが入っているビルなのですが、1階のお店がすべて営業自粛ということで閉店したとのことです。

ティエンさんによると、ベトナムの首都ハノイにあるバックマイ病院でクラスターが発生したため関係者など4万人の隔離が決定されたと報道されているようです。バックマイ病院は、日本の開発援助資金も投入してきた病院なので医療関係者のみなさんの献身によりいい方向に向かうことを心より願っています。このクラスターのせいではないでしょうが、ベトナム政府は全国民に対して、4月1日から15日間、不要不急の外出を自粛するように通達を出しました(参照1:「4月1日から15日間の「隔離」を要請【訂正・再送】」,アジア経済ニュース)。

私たちの学習支援クラスも1か月お休みをすることにしました。学びにきている高校生たちには、課題のプリントを配布して家で自習出来るようにティエンさんとチューターたちに準備をしてもらっています。健康が何より大切なので。

状況を冷静に捉えること、手洗いやうがい、不要不急の外出を避けるなど、基本に忠実に過ごすよりないことはベトナムも日本も変わりありません。そして、あとは神様に祈りましょうか・・。ベトナムには、ラ・バンのマリア様(越語:Đức Mẹ La Vang)と呼ばれる聖母出現の伝説があり、多くの人の信仰を集めています。このマリア様のお話は、またの機会のティエンさんに書いてもらおうと思います。

ラバンのマリア

ラバンのマリア様。トゥアティエン・フエ省のお隣にあるクアンチ省にあり、多くの人々の信仰を集めている(2017年3月撮影)。

参照1:https://www.nna.jp/flash/show/32259, 2020年4月1日検索

投稿者プロフィール

Team Hue
チーム フエは、ベトナム中部のフエ市在住歴約6年の高木佳子とフエ市生まれのフィン・ティ・トゥイ・ティエン、そしてフエで暮らす高校生や大学生たちで構成されています。フエ市のことやベトナム人の暮らしの様子を写真や動画を添えて発信していきます。ご質問や「こんなことが知りたい!」というリクエストも受け付けております。