2021年旧正月前の活動地(ベトナム・フエ市)の様子

旧暦で新年を祝うベトナム。今年は太陽暦の2月10日が旧正月の1月1日となります。なので、今は師走が押し迫った頃、もうすぐお正月という頃になります。最近では、ベトナムの旧正月のことをテト(越語表記:Tết)と呼ぶことをご存知の方も多いかもしれません。ただ、実際私が暮らしていた時の会話では、「ăn Tết」と言っていました。「ăn 」は「食べる」という意味のベトナム語です。「ăn nhiều, uống nhiều」(たくさん食べて、たくさん飲む)ので「ăn Tết」と言われます。日本では「正月3が日」ですが、ベトナムでは「正月4日」が基本。家族、親族、友人たちと食べて、飲んで過ごすことが一般的です。旧年の間に、お家を飾るようにお花を買い、食べ物や飲み物を買い、新年を祝う準備をします。例年、町の色々な場所に花市が立ちます。

テト前になると町の色々な場所に花市が立ちます。菊やたくさん実のついた金柑の木などが一家の繁栄を願って購入されます(2012年1月撮影)。

上の写真は、フエ市内の中心部にある文化会館前のスペースに立っていた花市場の様子です。写真に写っているのは、菊の花ばかりですが、たくさん実をつけた金柑の木や黄梅なども好まれます。金柑や黄梅などの木には、下の写真に写っているような飾りもぶら下げたりします。

花市場の周りには、屋台の売り子も集まっている(2012年1月撮影)。

上の写真の中央に写っている屋台で売られているのは、木にぶら下げるようの飾りです。上の写真には少し面白い点があります。屋台には、「Chè」と赤い字が書かれているのがわかります。これは、「ベトナム風ぜんざい」の意味で、そのあとに続いているベトナム語の意味は「ミックス、フルーツ、お召し上がりください」となっています。おそらく、この屋台の主は、普段はベトナム風ぜんさい屋さんで、この時期だけ儲かる飾り売りをしているのだと思われます。もう1つ上の写真でわかるのは、屋台の後ろに写っている二人乗りのバイク。後ろの人は大きな菊の鉢を抱えています。このような感じで自分たちで運べるものはバイクで運ぶのもベトナムらしい風景です。

 

こんな風景がテト前にみられる普通の風景だったのに、今年は新型コロナウイルス感染拡大のための自粛ムードから花市場がほとんど立っていないとナショナル・スタッフのティエンさんが写真を送ってきてくれました。

2021年テト前、ベトナム

新型コロナウイルス感染拡大の受けての自粛ムードで花市場も立っていない(2021年2月撮影)。

花農家の人たちは大打撃を受けていることと思います。来年はいつもの風景が戻ってくることを心から願っています。

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投稿者プロフィール

Team Hue
チーム フエは、ベトナム中部のフエ市在住歴約6年の高木佳子とフエ市生まれのフィン・ティ・トゥイ・ティエン、そしてフエで暮らす高校生や大学生たちで構成されています。フエ市のことやベトナム人の暮らしの様子を写真や動画を添えて発信していきます。ご質問や「こんなことが知りたい!」というリクエストも受け付けております。