【活動報告】学習支援クラスを再開します(ベトナム・フエ市)

ベトナム・フエ、王宮にて

日本も新型コロナウイルス感染拡大を受けた自粛生活の「一旦の」出口が見えてきた感じです。ただし、どう暮らしを戻していくのか、秋には第2波が本当に来るのか、まだまだ分からないことが多いので楽観的なことを書いてもいけないかと思っています。

風人土(かぜひとつち)学舎の活動地であるべトナム中部のフエ市では、今年の1月後半から学校は休校になっていました。社会生活の面では、政府によるレストランなどへの休業命令や外出禁止命令なども出されていました。先ず、休業命令や外出禁止命令などが段階的に解かれ、やっと中・高等学校と大学は4月27日から、幼稚園と小学校は5月4日から再開されています。ベトナムの学校は9月から始まり、5月から6月に終了します。そのため、夏休みを短縮して今の学年のカリキュラムを終える準備が進められています。

私たちのクラスに通う高校生たちの中は、地方政府に貧困世帯や準貧困世帯と認定されている家庭の子もいます。親たちの中には、外出禁止期間に収入を減らした親も少なくありません。そういった社会的弱者世帯に対して、政府からの現金支給が開始され出しました。また、様々な形でお米など食料の支給も行われています。ひとまず、今の段階では一息がつける状況だと考えています。

このような流れを受けて、私たちの高校3年生を対象とした学習支援クラスも今月から再開することとしました。学校は再開したのですが、高校3年生たちの大学受験には大きな影響が出ることになりました。通常行われる大学入試は行われず、高校の卒業試験の成績で大学の合否が決まることになったのです。そのため、少しでも卒業試験の結果を良いものにして、みんなが希望の大学に入れるようにサポートをしていきたいと考えています。

ベトナム・フエ、王宮の門の前で

王宮にて、高校生とティエンさん。ベトナムでもマスクを着用している。日本語のプリントされたTシャツを着ている子が何人かいるのが分かる。これは、韓国、中国などから安価で入ってくる製品と思われる(2020年5月撮影)。

日本のゴールデンウィークにベトナムも連休があります。4月30日が南部ベトナム解放記念日、5月1日がメーデーです。祝日には、フエ市にあるユネスコ世界遺産の王宮やいくつもある皇帝の廟の入場料が無料となります。そのため、ナショナルスタッフのティエンさんが高校生たちを王宮に連れて行く見学ツアーを計画してくれました。ティエンさんが王宮の歴史などについても説明をしてくれて、高校生たちにとっては文化遺産について知るよい機会になったようです。

ベトナム・フエ、王宮の中で

王宮の中で歴史の説明をするティエンさんとそれを聞く高校生の様子(2020年5月撮影)。

この見学ツアーには、以前にチューターとして高校生たちを教えてくれていたタンさんも参加してくれました。チューターをしていた頃はフエ科学大学で建築を学んでいたタンさんも、現在は自分で建築事務所を構えています。社会人になってもティエンさんの呼びかけに応じて高校生たちと交流を続けてくれていることをうれしく思います。

庶民の味、バインカン、ベトナム・フエ

見学ツアーの後、みんなでバイン・カン(越語:Bánh canh)を食べに行く。バインカンは、刀削麺の一種。タピオカ粉や米粉で作られた麺の上に魚のつみれなどを乗せて食べる汁麺がフエでは一般的。朝ごはんやちょっと小腹がすいた時に食べる庶民の味。チューター経験者のタンさん(左の一番奥の男性)も参加してくれた(2020年5月)。

新型コロナウイルス拡大のために、日本にいるメンバーがベトナムに入ることができる日がいつになるのか、予想がつかない状況です。ただ、そのことをあまり悲観することなくいられるのは、ナショナルスタッフのティエンさんをはじめとする現地の志を共にしている仲間たちが何人もいてくれるからです。今回の見学ツアーもティエンさんの発案ですし、現在クラスで教えてくれているチューターだけでなく何かあれば駆けつけてくれるチューター経験者たち、教室をお借りしている公立学校の先生たちも力強いサポーターです。

「ベトナムで弱者支援をやっています」というと、何もかも日本から持ち込み、日本式に何かをやっているように想像される時がありますが、私たちはそのような活動をしていません。現地の声を上げたくても上げることのできない社会的弱者のニーズを知ること、現地にある知恵や資源を活用することが大切と考えています。資源の中には、ヒトが含まれます。ナショナルスタッフやチューターに恵まれていることにありがたさを感じています。

投稿者プロフィール

Team Hue
Team Hue
チーム フエは、ベトナム中部のフエ市在住歴約6年の高木佳子とフエ市生まれのフィン・ティ・トゥイ・ティエン、そしてフエで暮らす高校生や大学生たちで構成されています。フエ市のことやベトナム人の暮らしの様子を写真や動画を添えて発信していきます。ご質問や「こんなことが知りたい!」というリクエストも受け付けております。