2022年9月の活動報告

早いものでもう10月です。ベトナム中部は10月ごろから雨季に入ります。私たちの活動地であるフエ市は台風の常襲地なのですが、ひどい水害を何度も経験しています。しかし、最近では日本も同じように毎年ひどい水害を経験するようになり、気候変動とは怖いものだと思っています。今年はフエ市で大きな水害が起こらないことを願っています。さて、9月の活動報告です。

学びでつなぐ~絵本の翻訳・翻訳読み聞かせ~活動の翻訳作業を継続、読み聞かせ方法を工夫することにしました

「学びでつなぐ~絵本の翻訳・翻訳読み聞かせ~」活動は、日本の風人土(かぜひとつち)学舎の事務局から日本で出版されている絵本をフエ市に送る→フエ大学日本語学科の学生さんと先生の有志が風人土学舎のナショナルスタッフのティエンさんの指導の下に日本から送られてきた絵本を翻訳する→翻訳した成果は、風人土学舎のチューター(フエ市で勉強している大学生)が同じく風人土学舎が行っている家庭に課題のある子どもたちを対象にした学習支援教室での読み聞かせ活動に利用する、という「つながり」で行っています。

絵本の翻訳会

絵本の翻訳会の様子。この日は、フエ市内にあるホーチミン博物館の横にあるお庭で。菩提樹の木陰はやさしい影になってくれる(2022年9月撮影)。

これまでは、絵本の読み聞かせの方法はチューターたちにまかせっきりにしてきたのですが、①お話に出てくることを実際に子どもたちと体験してみること、②日本で行われている紙人形劇をZoom越しでみんなで観て意見交換するということを行ってみました。

題材に使ったのは『クレヨンのクロくん』という絵本で、絵本の中に、クレヨンで絵を書いて→それを黒く塗り→シャープペンシルでスクラッチするということが描かれています。黒くクレヨンで塗りつぶすのは大変なので、黒のアクリル絵の具で代用、シャープペンシルはつまようじで代用しました。

絵を描く勉強会

日本から絵本のあらすじを説明。みんなで描いてみることに。左から、フエ師範大学の学生、フエ外国語大学日本語科学生、フエ観光短大生の3人のチューター。左はしは、ティエンさんの息子さん、今年からフエ美術大学の学生さん。今回はスケッチブック、クレヨン、アクリル絵の具などは日本から絵本と一緒に送った(2022年9月撮影)。

「子どもたちには好きに描いてもらうこと」、「塗りつぶしたくなかったら無理には塗りつぶさなくていいこと」など、自由に表現してもらうことに重きを置いて欲しいことも伝えました。

描けた絵を画面越しに見せてもらう。こういうことができるのもzoomのおかげ。いい時代だ(2022年9月)。

このあと、youtubeでぽとふ保育園さんのyoutubeから『クレヨンのくろくん』のペープサート
をみんなで鑑賞、活動に取り入れられるかを話し合いました。師範大生のチューター、ハイさん(上の写真右端)には、紙人形劇も是非取り組んでみたいとのことだったので、活動に取り入れていくことになりそうです。

チューターたちの生き生きした顔をみていると、その先にいる子どもたちにもきっと絵本で描かれていることの意味が楽しく伝わるだろうな・・と思えました。
10月から新しい子どもたち(小学2年生)を迎える学習支援教室の準備が始まります。子どもたちの置かれている環境の理解から始めるので、家庭訪問をしたりハードなのですが、日本とベトナムで力を合わせてがんばっていきたいと思います。

投稿者プロフィール

風人土学舎 日本事務局
風人土学舎 日本事務局
風人土学舎日本事務局です。自然・人びと・生業・文化との関りを知り、それらが共生する未来を目指しています。