【活動報告】学校にお金が支払えないのは「恥ずかしい」と思う子どもの気持ち
11月のベトナム・フエ市での活動報告です。
●2020年は新型コロナ感染拡大と水害のために活動を考える年になっています
ベトナム中部のフエ市で続けてきた教育環境改善プロジェクトでは、高校生クラス全員の進路が決まり次の新しい生徒を受け入れようか、と思っているところに新型コロナウイルス感染拡大が始まりました。ベトナムは日本ほどの感染者を出していませんが、家族以外との接触を禁止する通達が出されたり、学校を休校にしたりなどの措置は取られました。そのため、私たちも次の生徒を集める準備は進めることが出来ないでいました。また、集めらたところで、私たちが感染を活動地域に持ち込んでしまったらどうしようという、不安が消せないでもいました。
加えて、10月初めからの約1か月の間にベトナム中部を熱帯低気圧による大雨と台風で甚大な被害を出しました。つい最近まで洪水の水が引かなかった地区もあるくらいです。もちろん、水害が起こっている間は学校もお休みになっていました。また、現地活動協力者の安全のことも十分に考慮して活動を進める必要があります。ですので、10月からはあまり積極的に動ける状況にはありませんでした。
●学校にお金が支払えないのは「恥ずかしい」と思う子どもの気持ち
こういった今年の特別な状況の中で、活動地にある公立小学校の先生方から聞いた情報は、「学費以外の年間500,000ベトナムドン(約2,500円、保険代などに充てられるお金)を支払うことが出来ずに学校に来なくなる児童が増えている」というものでした。どの児童も新型コロナ感染拡大を受けて収入が減った親たちの子どもです。小学校全体で約40名のそういった児童が存在し、20名は学校独自に色々なところからお金を集めてなんとか学校に戻ってくるようにできたそうです。しかし残りの20名をなんとか出来ないものか、と相談されました。
私たちは今まで、「お金を寄付だけする」ということをしないで来ました。実際に相手に会って話しをして、状況を確認し、親や子どもにやる気を感じられた人たちをクラスに受け入れるという方法を取ってきました。そのため、学校側には学校の先生と対象児童の家を家庭訪問させてもらいたい旨を伝えました。その上で、お金をお支払いさせて頂くかを決めたいと考えたのです。予算の関係もあり、最大10名分は私たちでなんとかしたいということになりました。
ナショナル・スタッフのティエンさんたちに家庭訪問に行ってもらうと、親は出稼ぎに入っていたり、コロナ禍で仕事を失ったり、過酷な状況に置かれていることが分かりました。児童の中には、
「学校にお金が支払えなくて心配」
と自ら不安げに話した子もいたそうです。
家庭訪問を終えることが出来ましたので、来月には学校に寄付を行いたいと考えています。
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