2022年3月活動報告

日本は桜の季節が終わったかと思ったら夏のような暑さがやってきました。今年の夏はどうなるのでしょう。さて、私たちの活動地があるベトナム中部、フエ市での3月の活動報告です。

チューターと子どもたち、フエ市

チューターのクエン・アンさんと子どもたち。クエン・アンさんの大学は3月中は対面授業を行っていなかった。日本と同じで小学校から大学、それぞれ対面授業に対する考えが異なっている。またベトナムでもマスク着用は当たり前になっている(2022年3月、クエン・アンさん撮影)。

新型コロナウイルスの感染状況も落ち着いてきて、教室をおかりしている公立小学校も原則通常通りに授業を行えるようになりました。ただし、担任の先生が感染した場合は学級閉鎖になり、子どもたちはオンライン授業(日本でいう教育放送のようなものを見ながらの自宅学習)になるそうです。なんであれ、学校が通常通り授業が行えるようになったので、私たちの学習支援教室も週3回行うことができるようになりました。小学2年生の子どもたちで学校の授業についていけていない、かつ家庭に何らかの困難のある子どもたち20名近くを学校の先生からお預かりしました。しかし、あまりにも勉強が遅れている子や障がいを抱えている子どもは、学校が独自に行っている補習クラスに通ってもらうことにしました。そのため、3月は13名の子どもたちと一緒に勉強をしました。

子どもたちの中には、べトナム語のアルファベットが身についていない子もいます。また、ピーナッツ売りをして働いている子もいます。ピーナッツ売りは、フエの貧しい人たち、特に女性や子どものが行っている仕事の1つです。茹でたピーナッツを小袋に入れて売り歩きます。道端で売るというよりは、カフェや食堂、ビアホイと呼ばれる飲み屋さんに入っていってテーブルをまわって売るのです。売り切るまで家に帰れない子どももいるようで、夜中にやっと帰宅、朝は起きられず、小学校に行かなくなるケースもあります。学校には通えていたとしても、家で勉強する時間がありませんから、勉強は遅れをとることになります。あと、子どもがしている仕事には、フエ市内を流れるフォーン河で獲れたシジミ売りがあります。大きな市場近くの道端で、母親たちとシジミを売っている姿を目にします。また、蓮が実をつける時期には、蓮の実を剥く仕事をしている子どももいます。

家計を支えるためにどうしても必要な仕事であったとしても、親たちには子どもたちから勉強する時間、子どもらしくいられる時間を奪わないで欲しいと願っています。

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風人土学舎 日本事務局
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