2021年8月の活動報告

読み聞かせ、フエ市・ベトナム

チューターが子どもたちに絵本の読み聞かせをしている様子。子どもたちの様子からお話に関心を持ってくれていることが分かる。この関心が本を好きになる気持ちや勉強をしたいと思う気持ちに結び付いてくれることを願っている(2021年8月撮影)。

新型コロナウイルス感染症の感染者数のピークも東京では超えた様子ですが、まだまだ医療現場の状況は緊迫したままのようです。最前線で働いてくださっている方々に常に感謝と敬意を持っていたいと思っています。私たちの活動地があるベトナムでも国全体の状況としては、9月4日時点の保健省の発表によると39省・市で市中感染者9521人が新たに確認され、1日あたりの感染者数として8月18日以来17日ぶりに1万人を下回ったとのことです(参照:「新型コロナ:新型コロナ:4日の市中感染9521人、17日ぶり1万人下回る 第4波の市中感染者50万人超」Vietjo, 2021年9月4日)。ただし、都市部では厳しい隔離措置が解かれていないところも多くあります。また、私たちの活動地であるフエ市フーハウ地区でも、感染者が出ました。詳細は不明ですが、近年、この地区ではベトナム南部の工業地帯に出稼ぎに出ていた人が多く、今回のコロナウイルス感染拡大で仕事がなくなり戻ってきた人が多くいます。そういった人の流れによってウイルスが持ち込まれる可能性も高くなっています。感染した方の1日も早い回復を願っています。それと同時に、人と人との接触に一段と気をつけながら活動を行っていきたいと考えています。今回も前置きが長くなりました、8月の活動報告は以下の通りです。

 

1.夏季補習クラスが無事終了しました。

夏季補習クラス、フエ・ベトナム

子どもたちと先生、チューター。左端は子どもを迎えにきたおじいさん。子どもたちが手に持っているのは出席表。クラスに来た日には印をつけるようにしていた(2021年8月撮影)。

7月7日(水)からフエ市フーハウ地区にある公立小学校と協働して行ってきた夏季補習クラスは、8月24日(金)に終了しました。期間の最後の方は、新型コロナの感染を気にするため親たちが子どもたちを休ませることも目立っていました。学習の方は、参加した子どもたちのほとんどに進歩が見られ、「クラスに来ることが楽しい」と言って、早くから教室に来る子もいたとのことです。

夏季補習クラスのチューター、フエ市・ベトナム

チューターも教壇から子どもたちに読み方を教えた。新型コロナウイルス対策としてマスクも忘れずに着用して(2021年8月撮影)。

夏季補習クラスは公立小学校との協働のため原則教壇に立つのは現役の先生なのですが、アシスタントを務めるフエ大生(私たちはチューターと呼んでいます)も教壇に立って教える経験をしました。

 

2.「学びでつなぐ~絵本の翻訳・読み語り活動~」の2期目をスタートさせました。

絵本の翻訳会の様子、フエ市・ベトナム

日本の絵本を翻訳することはフエ大学の学生さんたちにとって、翻訳のことや日本のことを学ぶ機会にもなっている。グループに分かれて1冊の絵本を丁寧に訳すようにした。ここでも感染対策のためにマスクを着用して。オンラインでの勉強会も取り入れるようにしている(2021年8月撮影)。

フエ外国語大学日本語科の先生や学生さんと協力して日本の絵本を翻訳し、翻訳した成果を学習支援教室での読み聞かせに使うという活動の2期目がスタートしました。大学生たちがグループに分かれて1冊の絵本を翻訳し、ナショナルスタッフのティエンさんとフエ外大のニー先生が翻訳の修正やアドバイスをしてくれています。勉強熱心な学生さんたちに出会えて、とても助けられています。絵本の翻訳以外にも、フエの観光のことなどを日本語で書いて発信することにも関心がある様子です。また、地域にあるお話を収集してベトナム語で文字に起こし、それを小さな子どもたちに「語ってきかせる」ような活動にも発展させていけないかな・・と密かに考えています。ただ今は地域にあるお話を教えて頂けそうなおじいちゃん、おばあちゃんのお家を訪問させてもらうにも気を遣う状況なので、もう少し感染状況が落ち着いてから取り組んでいきたいと思っています。

9月も出来ることをコツコツと続けていきたいと思います。

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風人土学舎 日本事務局
風人土学舎 日本事務局
風人土学舎日本事務局です。自然・人びと・生業・文化との関りを知り、それらが共生する未来を目指しています。