【タンザニア東部・ウルグル山域での研究・活動】(田中樹)
対象地域のウルグル山域は、タンザニア東部を南北に分布するイースタン・アーク・マウンテンズ(Eastern Arc Mountains)の一つで、
希少な動植物固有種をもつ生態系があり、アフリカにおける生物多様性のホットスポットとして知られています。
人びとの暮らしを支える主な生業(なりわい)は、焼畑耕作による陸稲、メイズ、インゲン、キャッサバなどの栽培、屋敷林や樹園地での樹木性・多年生の香辛料作物(クローブやバニラなど)、バナナ、パンノキ、ココヤシ、ゴム、マンゴー、ジャックフルーツなどの栽培、農作物の運搬および域内マーケットでの小商いがあります。このうち、焼畑耕作は、開発圧力の増大に伴う休閑期間の短縮による土壌劣化や、野火および農耕地の拡大による森林植生の消失の主な原因といわれています。
科研費研究や国際協力事業を通じて、地域資源である香辛料作物と在来の屋敷林および樹園地を軸とする在来の生業システムに注目し、「貧困削減」・「生態系保全」・「社会的弱者層支援」を同時成立させる取り組みを地域の人びととともに行っています。
近いうちに、ウルグル山域で生産されたバニラをお届けできるかもしれません。
●科研費研究
(基盤研究A)による「アフロ・ユーラシア貧困地域での生業多様化と安定化に向けた水平技術移転の実践的展開(2012年~2017年)」
●国際協力事業
独立行政法人国際協力機構(JICA)・草の根パートナー型技術協力事業「タンザニア東部ウルグル山域におけるバニラ産地の形成と生計向上(2017年3月~2020年2月)」
※実施団体は、一般財団法人地球・人間環境フォーラムです。
風人土学舎の田中樹代表が、計画立案と技術アドバイザーとして、この事業に参加しています。