田中 樹 - TANAKA Ueru-

摂南大学 農学部 食農ビジネス学科 教授(環境農学研究室) 、ベトナム・フエ大学名誉教授。専門は、環境農学、土壌学、地域開発論。アフリカやアジアの在来知に学び、人びとの暮らしと資源・生態環境の保全が両立するような技術や生業を創り出す研究に取り組んでいます。
学術研究では、「土壌表層に形成されるクラストの形成機構」、「アフリカやアジアの在来農法-土と人との関係-」、「在来知や地域資源を活かし暮らしの向上と生態環境の保全を両立する実践的な技術や方法」などをテーマとする仕事に取り組み、複数の論文や報告書、記事を発表しました。併せて、学術研究から社会実践への展開として、国際協力機構・草の根パートナー型技術協力事業の制度を活用し、対象地の人びとと協働してきました。

[メッセージ]
私自身の研究者としての人生はあと10年くらいです。公的な資金を使って国内外でのフィールド研究や村落開発の仕事をしてきました。恩返しの意味も込めて、これらの知見や経験、発想を一般向けの刊行物や具体的な地域開発支援の活動へと展開したいと考えています。

[業績]
第25回日経地球環境技術賞(優秀賞、2015)
第41回日立環境財団環境賞(環境大臣賞および優秀賞、2014)
日本国際開発学会優秀ポスター発表賞(2013)
日本土壌肥料学会奨励賞(2000年)などを受賞(これらの多くは、対象地域の人びととの協働により得たものです)

[国際協力 -国際協力機構・草の根パートナー型技術協力事業での取り組み]
ベトナム中部・自然災害常襲地での暮らしと安全の向上支援(2006年9月~2009年8月、実施団体:京都大学大学院地球環境学堂
ベトナム中部・自然災害常襲地のコミュニティと災害弱者層への総合的支援(2010年10月~2013年9月、実施団体:京都大学大学院地球環境学堂
ニジェール共和国サヘル地域での砂漠化対処および生計向上への農民技術の形成と普及(2010年4月~2013年3月、実施団体:地球・人間環境フォーラム
タンザニア東部ウルグル山域におけるバニラ産地の形成と生計向上(2017年3月~2020年2月、実施団体:地球人間環境フォーラム

[大学などで行った講義]
・ケニア共和国・ジョモケニヤッタ農工大学園芸学科で「土壌肥料学(英語講義)」
・京都大学農学部・農学研究科で「科学英語(農学)」・「比較農業論」・「日本の農業と環境(英語講義)」
・京都大学地球環境学堂で「陸域生態系管理論」・「農業環境技術論(英語講義)」・
「暮らし・環境・平和-ベトナムに学ぶ-(学部向け講義と海外研修)」
・国内外の複数の大学で「砂漠化対処」や「住民参加型地域開発」、「貧困問題と環境荒廃」に関する特別セミナーや集中講義を
行いました。

対応可能な講演・授業・コンサルテーション 
これまでに小学生・高校生・大学生・一般市民・国際協力の実務者などに向けた様々な講演を行っています。
テーマの例は、以下の通りです。講演や授業のご希望は、風人土学舎事務局までご相談ください

<講演テーマ>
・「砂漠化問題と向き合う-西アフリカにおける地域開発と砂漠化抑止-」
・「西アフリカの人びととつくる砂漠化対処の技術」
・「暮らしの向上や災害対処、生態環境の保全をぜんぶかなえる?!-ベトナム中部の事例から-」
・「タンザニアでスパイスの村をつくろう-貧困問題と環境荒廃に向き合う知恵-」など。

※講演活動は、社会貢献活動の一環です。できるだけ低めに謝金(風人土学舎の運営に使われます)や交通費(場所によっては宿泊費)を設定しますので、お申し付けください。

<コンサルテーション>
日本国内、アジア、アフリカでの在来知や地域資源の活用と住民参加を基調とする農業や生態系保全にかかる地域開発案件を
検討の方々へのコンサルテーションも可能です。

[更新記録]
2020年04月04日 所属先を更新しました。